このページでは、「頭皮・頭髪の汚れ落とし」について、ざっくりと書いています。
汚れの種類と洗浄剤
● 水に溶けるか・溶けないか
「汚れ」は、「泥など水に溶けるもの」、それに対して「油など水には溶けないもの」に大別できます。
● 身体の内部から?外部から?
頭皮・頭髪の汚れは、「身体の内部からのもの」と「身体の外部からのもの」に分けられます。前者には「汗・フケ・皮脂」等があり、対して後者には「整髪剤・ほこり・排気ガス」等があります。
● 洗浄剤
水に溶ける汚れは当然、水ですすげば落とせます。対して、水では落ちない汚れを落とすために使用されるのが洗浄剤です。その洗浄剤の代表格が、水にも油にもなじみやすい、そしてシャンプー剤の主成分でもある「界面活性剤」です。
界面活性剤が汚れを落とす仕組み
ここで、「界面活性剤が、頭髪に付着した油汚れを落とすメカニズム」について解説します。
1.髪の毛に付着した油汚れ
油汚れの表面は親油性、つまり疎水性なので水には溶けない。
2.界面活性剤が油汚れに襲いかかる
このとき、界面活性剤は親油基を内側に向けて、油汚れに集まる。

3.油汚れを引きはがしにかかる
界面活性剤が髪の毛から、油汚れを浮き上がらせる。
4.油汚れを包み込んでしまう
多数の界面活性剤が油汚れの表面に集まり、油汚れを包み込む。
油汚れは界面活性剤で覆われることになり、その表面は界面活性剤の親水基、つまり親水性になる。
5.もはや油汚れ、なすすべなし。
界面活性剤に包み込まれた油汚れが、水で洗い流される(汚れが落ちる)。
泡立ち
● 泡立ちと洗浄力
上記の汚れが落ちる仕組みに、泡は関係ありません。「泡立ち」と「洗浄力」は無関係だったのです。
つまり、「泡立ちが良いから良く落ちる」という発想は、幻想だったのです。
● 泡立ち無き洗浄力
ほとんど泡が立たない洗浄剤の代表格に、油を除去するクリーナーがあります。その効力は絶大です。
● 時には大事な泡立ち
しかし、シャンプーの場合には、泡立ちや泡の質が重要になってきます。これは洗髪の際に「毛髪同士の絡まりや損傷を防止するクッションの役目をはたしてくれる」からです。