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側鎖結合は、毛髪を語る上では外せない存在なのです。

  〜 Three of the binding of hair 〜

 髪の毛の強度や弾力は、「三つの側鎖結合」によってたもたれています。

ポリペプチド主鎖 〜 毛髪の柱? 〜

 髪の毛の主成分であるケラチンタンパク質は、ポリペプチドを主鎖としたラセン状の構造をしています。このポリペプチド主鎖が無数に集まってケラチンタンパク質となり、1本の髪の毛となります。
 このポリペプチド主鎖を「建物の柱」とイメージして頂くと、わかりやすいかと思われます。

側鎖結合 〜 毛髪の梁? 〜

 縦方向に連なったポリペプチド主鎖は、隣り合った主鎖同士が横につながる「側鎖結合」で結びついています。 
 この「側鎖結合」を「建物の梁(はり)」とイメージして頂くと、わかりやすいかと思われます。



 外壁(キューティクル)と柱(ポリペプチド主鎖)だけではもろく柔らかい毛髪を、梁である下記「三つの側鎖結合」が強固にしているのです。だから髪の毛は「硬い」のです。  

三つの側鎖結合



1.ジスルフィド結合(シスチン結合)
 イオウを含んだタンパク質に特有な結合で、ケラチンを特徴づける強固な結合です。
※最も丈夫な「梁」といえます。
 科学的な反応により切断可能で、その後の再結合も可能です。パーマの理論は、この性質を利用しています。

2.塩結合(イオン結合)
 隣り合ったポリペプチド主鎖同士が電気的(磁石のよう)に結びついた結合です。
 ジスルフィド結合よりも弱く、水素結合よりも強い結合です。

3.水素結合
 弱い結合で、水で簡単に切断できます。髪が「濡らすと柔らかくなる」のは、この性質のためです。 
※髪が水で濡れると、「梁」の3分の1が切断されてしまうのです。

パーマ&縮毛矯正の仕組み

1.パーマネントウェーブの仕組み
 まず、パーマ剤第1液により、上記三結合(3本の梁)を切断します。
 次に、側鎖結合(梁)の切断により軟化した毛髪を曲げます。
 最後に、パーマ剤第2液を塗布し、曲がった状態のまま側鎖(梁)を再結合(硬化)させてしまうのです。


2.縮毛矯正の仕組み
 まず、縮毛矯正剤第1剤により、三つの側鎖結合を切断します。
 次に、ヘアアイロン等で毛髪を真っ直ぐに矯正します。
 最後に、縮毛矯正剤第2剤を塗布し、矯正した状態のまま側鎖を結合させてしまうのです。


          豆 知 識

側鎖結合の切断と再結合の原理

1.ジスルフィド結合
還元剤で切断し
酸化剤で再結合する。
2.塩結合
アルカリ剤で切断し
pH調整剤で再結合する。
3.水素結合
水で切断し
乾燥させることで再結合する。