このページでは、「くせ毛のメカニズム」と「髪がなぜ痛むのか?」について述べています。
毛質は、先天的な形状から「直毛」「波状毛」「縮毛」に分けられます。
日本人の多くは真っ直ぐな直毛で、その髪の切断面は「丸」に近い形状をしています。
対して、ゆるやかなウェーブの波状毛は欧米人に多く、その切断面は「楕円形」をしています。
さらに、とても強いカール・ウェーブの縮毛は黒人に多く、その切断面は「扁平」に近いです。
直毛の人は、毛根が頭皮面から真っ直ぐに近い状態で存在しているのに対し、クセ毛の人は、頭皮下で毛根自体が曲がっています。つまり「直毛か?クセ毛か?」は、毛根の形状で決まってくるのです。
髪の毛は、先天的要素とは異なった、一人一人・その時々の状態で「普通毛」「乾燥毛」「損傷毛」「脂性毛」と分けることもできます。
ヘアサロンでは実用的な分類として「硬毛」に対して「軟毛」、「吸水毛」に対して「撥水毛」等の区別をすることもあります。 これは、パーマやカラーの施術の際に必要な考え方です。
〜 例 〜
「硬毛・撥水毛」 = かかりにくい・染まりにくい
「軟毛・吸水毛」 = かかりやすい・染まりやすい
毛髪のダメージに対する耐久性は、「キューティクル」の状態で決まります。
基本的にパーマ剤やカラー剤の影響を除けば、髪の毛の損傷は毛先から始まります。これは、髪の毛の先端には「キューティクル」がなく、「コルテックス」がむき出しだからです。
ただし、髪の形状がキューティクルに影響をおよぼすケースもあります。例えばクセ毛は直毛よりも物理的にダメージを受けやすい傾向にあります。 これは「ブラシやクシでとかす」際に、「ゆがみのある箇所に無理な力がかかってしまいキューティクルに乱れが生じてしまう」ためです。
一般に、「乾熱」である70℃〜80℃のサウナには入れても、「湿熱」である50度のお湯には熱くて入れません。
このように、熱の種類でおよぼす影響は変わってきます。それは、毛髪にとっても同様です。
1.乾熱の毛髪への影響
・80℃〜100℃で強度が弱くなり始める。
・120℃くらいから膨らむ。
・130℃〜150℃で変色が始まる。
・180℃になるとケラチンの構造が変化する。
・270℃〜300℃で焦げて分解する。
2.湿熱の毛髪への影響
・湿度70%では70℃で変化が始まる。
・湿度97%では60℃で変化が始まる。
・シスチンの減少が100℃前後から見られる。
・130℃でケラチンの構造が変化する。
以上のことから、毛髪へのアイロン操作は
「高温で処理するなら乾かすべし」
「濡れ髪は低温で処理するべし」
と考えられるのです。
太くて硬い日本人の髪は、
一見丈夫そうに見えます。
しかし、実際の物理的刺激に対しての強度は
欧米人の髪のほうが上です。
これは、
「欧米人の髪はキューティクルが厚くて密」
なためです。